市街地より県道宇和線を約4km南下すると、渓流を隔てた対岸に奇岩が寄り添うように並立しているのが「夫婦岩」です。背後の山から抜け出したように立っている姿は、桜や紅葉、清らかな渓流と相俟って自然美を呈しており、また夫婦岩公園に分け入るようにかかるアーチ式の鉄橋は情緒のある光景を生み出しています。この夫婦岩には古くからの伝説があります。夜になると作物や家畜を食い荒らす二匹の竜に腹を立てた村人が、その竜を煙攻めにしたところ、竜の怒りをかい大雨により田畑や作物の全てを流されてしまいました。竜の怒りを静めようと村人がお祈りをしたところ、急に雨が止んでそこにこの二つの岩が立っていたそうです。村人はこの岩は二匹の竜の生まれ変わりに違いないと信じ、その後も供養を続けられるようになったそうです。